冬の睡眠の質を上げるには?
2022.12.01
冬場、体が冷えてなかなか寝つけないこと、ありませんか? とくに冷え性の人は、手足の冷えと布団の中で戦っているかもしれません。
寒い冬に自然に眠りにつくコツ、睡眠の質を上げるコツをお伝えします。
靴下を履いて寝るのはNG
冷え性の人の中には、足が冷たくて寝つけないからと、靴下を履いて寝るのが習慣になっている方もいらっしゃるかもしれません。でも、これはおすすめできないのです。
寝るときには、手足から熱を放出して、体の内部の深部体温が少し下がります。そうすると眠気がくるので、深部体温の低下を邪魔しない、つまりは手足からの熱の放出を邪魔しないことが大切です。
靴下を履いたまま寝ると、熱がきちんと放出されず、深部体温が下がりにくくなってしまう。だからNGなのです。
靴下以外にも、電気毛布や電気アンカなどをつけっぱなしにして寝るのも、同じ理由で眠りを妨げます。使うなら、寝る前に温めておいて、寝る時にはスイッチをオフにする。そうすると、自然に温度が下がっていくので、深部体温の低下を邪魔しません。
寝るときの靴下が手放せない人は、足首を温めるレッグウォーマーがおすすめです。
レッグウォーマーであれば、足元は温めつつ、足先からの熱の放出は邪魔しないので、ちょうどいいのです。
寝室の温度は18℃以上に
寝室の温度は意識していますか?
WHOは2018年に出した「住まいと健康に関するガイドライン(WHO Housing health guidelines 2018)」で、住宅内の室温を18℃以上に保つよう、強く勧告しています。
ところが、ほとんどの家庭で18℃には達していません。
意外かもしれませんが、とくに西日本のほうが室温が低い傾向があるようです。というのは、寒い地域ほど断熱住宅が普及しているからです。
寝室内が寒いと、寝ている間も体温調節が必要になって、体が十分に休まりません。
毛布などの掛け布団を増やすことで寒さ対策をする人は多いと思いますが、掛布団が重たくなると寝返りが打ちづらくなることも。布団だけに頼らず、部屋を暖めることも意識しましょう。
入浴で体を温める
寝る前の入浴で体をしっかり温めてから、布団に入るのもいいといわれています。
湯船に浸かって深部体温が上がると、その後、上がった分、下がろうとします。そのタイミングで布団に入ると、眠りに入りやすくなるのです。
上がった深部体温が元に戻り、さらに下がるには90分以上の時間が必要です。だから、寝る90分前に入浴を終えるのがベスト。
寝る直前の入浴は、深部体温が上がったままの状態になり、逆に眠りにくくなります。入浴が遅くなり、お風呂から上がってすぐに寝たいときには、シャワーで済ませたほうがよさそうです。
また、入浴で体を温めるのが大事といっても、熱すぎるお風呂は好ましくありません。温度が高いと交感神経が刺激されてしまい、リラックスできないのです。寝る前にはリラックスすることも大切。38~40℃くらいのぬるめのお湯で入りましょう。
◎参考
梶本修身『寝ても寝ても疲れがとれない人のためのスッキリした朝に変わる睡眠の本』(PHP研究所)
西野精治(監)『図解 眠れなくなるほど面白い睡眠の話』(日本文芸社)
工藤孝文『疲れない大百科』(ワニブックス)