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増える治療用アプリ、てんかん記録用も

2020.06.01

家計簿やスケジュール表、レシピ検索など、生活を便利にするさまざまなアプリがありますよね。毎日の歩数を記録するもの、体重や体温、食事、睡眠を記録するものなど、健康管理のためのアプリも増えています。
そして最近では、健康管理から一歩進み、たとえばお薬手帳アプリや血圧や血糖値を記録するアプリ、頭痛や慢性疼痛について記録するアプリ、病院検索や医師への医療相談が行えるアプリなど、治療・療養をサポートするアプリも登場しています。
そのなかで、今年3月には「nanacara(ナナカラ)」という、てんかん患者さんのご家族向けのアプリがリリースされていました。

てんかんの発作を記録するためのアプリも

「nanacara」は、てんかん患者さんの家族会がITベンチャー企業と共同で開発したアプリです。
てんかんの発作の記録と服薬履歴の記録を簡単に行えるのが、このアプリの特徴です。
アプリを立ち上げると自動的に発作の記録がはじまる仕組みで、突然の発作でもすぐに記録ができるようになっています。また、動画付きで記録したり、メモを残したりすることも可能です。
記録したものを診察時に見返せるように、一覧にして表示することもできます。

てんかんは発作時の状況を伝えることが大事

てんかんは、脳内の神経細胞が過剰に活動してしまうことで引き起こされる病気です。
大脳の電気的な興奮が発生する場所によって症状はさまざまで、けいれんや硬直、短時間の意識消失、感覚や感情の変化など、人によって異なる多彩な症状があらわれます。

てんかんの診断では、
・発作が起きた状況
・発作が起こる前の症状
・時間経過
・発作を起こしやすくする要因
・発作中の行動
など、発作開始時の自覚症状や周囲からみた症状をなるべく詳しく医師に伝えることが役立ちます。

また、てんかんの治療の基本は、「抗てんかん薬」を使った薬物療法ですが、抗てんかん薬には複数の種類があり、発作の分類によって第一選択薬が変わります。そのため、「どのような発作なのか」を見極めることが治療においても大切です。

慢性疾患はセルフマネジメントが大事

てんかんは脳の慢性疾患ですが、治療によって7~8割の方は発作がおさまると言われています。ただ、そのためには、どんな慢性疾患においても共通して言えることですが、患者さん自身が病気について理解し、自分にとっての対処法を知ること(てんかんの場合は、発作の誘因や前兆を知ることなど)がとても大切。
「nanacara」のようなアプリを使うのも、ひとつの方法です。もちろん、ノートに手書きする方法でもかまいません。

慢性疾患の治療はとくに、患者さん自身のセルフマネジメントが欠かせません。かかりつけ医と相談しながら、病気があっても自分らしい生活が送れるよう、うまくつき合っていきましょう。

メディカルプライム日本橋小伝馬町では、5月1日、てんかん治療専門の「日本橋神経クリニック」がオープンしました。
東京メトロ日比谷線「小伝馬町」駅から徒歩2分。てんかん専門医2名と国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター認定のてんかん認定看護師がお待ちしています。てんかんは、およそ100人に1人にみられる身近な病気です。お気軽にご相談ください。

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