紹介状なしの追加料金、200床以上の病院に
2020.04.01
2年に1度の診療報酬改定が行われ、4月1日より、医療に関する値段やルールの一部が変わります。この診療報酬改定は、医療機関に向けて「こういう風に医療を提供してくださいね」という国からのメッセージであるとともに、国民に向けた「こういう風に医療にかかってくださいね」というメッセージでもあります。
紹介状なしに大病院に行くと追加料金
紹介状をもたずに大病院を受診すると、診察料とは別に「選定療養費」として、特別な料金がかかります。初診では5,000円以上(歯科は3,000円以上)、再診では2,500円以上(歯科は1,500円以上)の、それぞれの病院が定めた金額を支払わなければいけません。
この部分は、全額自費です。
「高い」と思われるかもしれませんが、大きな病院には、この「初診時・再診時選定療養費」を徴収することが義務づけられているのです。
紹介状なしの追加料金の対象が「200床以上」に
では、「大きな病院」とは具体的にどのような病院なのかというと、これまでは「特定機能病院」と「400床以上の地域医療支援病院」が対象となっていました。
それが、今回の改定で4月からは「特定機能病院」と「200床以上の地域医療支援病院」に拡大されました。
つまり、特定機能病院や200床以上の地域医療支援病院には、紹介状をもって行かなければ、初診で5,000円以上、再診で2,500円以上の追加料金がかかるということです。
ちなみに、特定機能病院とは、高度な医療や研修、医療技術の開発を行う役割をもった病院のことで、全国の大学病院やがんセンターなどが指定されています。
一方、地域医療支援病院は、かかりつけ医、かかりつけ歯科医を支援し、専門外来や入院医療、救急医療などを提供する病院のこと。その地域で中核となるような病院のことです。
まずは「かかりつけ医」に
紹介状をもたずに大病院を受診した場合の定額負担が設けられたのは、2016年から。最初は、特定機能病院と500床以上の地域医療支援病院を対象にしていましたのが、特定機能病院と400床以上の地域医療支援病院に変わり、今回、特定機能病院と200床以上の地域医療支援病院に広がりました。
これは、「まずは“かかりつけ医”に診てもらって、より専門的な検査や治療が必要な場合には病院へ」という“医療のかかり方”を習慣にしてほしい、という国からのメッセージです。
ただし、いくつかの例外があります。
たとえば、急に具合が悪くなって救急車で運ばれた場合は、もちろん対象外です(ただし、軽症の場合には選定療養費を支払うことも)。
また、同じ病院の別の診療科にかかっている場合、健診・がん検診で精密検査の指示があった場合にも、初診時・再診時選定療養費は必要ないこともあります(このあたりは病院によって考え方が異なりますので、各病院にお問い合わせください)。
いずれにしても、「まずはかかりつけ医を持ちましょう」というのが、医療のかかり方の第一歩です。