慢性的な腰痛の裏にストレスあり?
2020.03.01
腰痛にお悩みの方は多いですよね。
厚生労働省が発表している「国民生活基礎調査の概況」でも、毎回、自覚症状の上位に挙がるのが腰痛です。平成28年の同調査では、なんらかの自覚症状がある人(有訴者)は、人口千人あたり305.9人で、男性ではいちばん多い自覚症状が腰痛、女性では肩こりに次いで2番目の多さでした。
腰痛に困ったときにまず行く診療科は整形外科だと思います。ただ、整形外科で検査を受けても腰の骨や筋肉、神経などに異常が見つからず、原因がわからないまま、痛みが長引くこともあります。
そうした原因不明の長引く腰痛のなかに隠れていると言われるのが、「心因性腰痛」です。
ガイドラインでも指摘されている心と腰痛の関係
7年ぶりに改訂された『腰痛診療ガイドライン2019』(監修・日本整形外科学会、日本腰痛学会)では、「腰痛の治療成績と遷延化には、心理社会的因子が強く関連する」と指摘されています。
つまり、精神的なストレスや人間関係の悩み、うつなどがあると、腰痛が改善しにくく、長引きやすいということです。
何らかの刺激を「痛み」として感じるのは、脳ですよね。
同時に脳は、痛みを感じたときに、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内物質を放出して、痛みを抑制するような指令も行います。ところが、強いストレスがあると、この「痛みを抑制する」システムが十分に働かず、痛みを強く感じたり、痛みの原因が取り除かれても痛みが長引いたりしやすくなるのです。
なおかつ、長引く痛みがさらなるストレスとなり、悪循環に陥ってしまうこともあります。
心因性腰痛の対処法は?
腰痛とはいえ、その原因が心理的なところにある場合には、そのストレスを取り除くなり、うまく対処しなければ、痛みはなかなか解消されません。
痛みのことばかりを考えないようにする
痛みがあってもできたことを考える
どんな時に痛みが強くなるかを知る
自分が楽しいと感じることや適度な運動を日常的に行うようにする
など、痛みに対する考え方、行動を見直すことが、心因性腰痛の改善によいと言われています。
ただ、なかには、薬物治療やカウンセリングなど、心療内科や精神科での治療が必要となることもあります。
なかなか改善されない腰痛でお悩みの方は、ストレスが原因となっていないか、心の持ち方や行動を振り返ってみましょう。
メディカルプライム新川では、5階に、心療内科の「東京ストレスクリニック」が3月2日より開院いたしました。
ストレスや不安、不眠などで生活や仕事にお困りの方は、お気軽にご相談ください。