2050年には失明者が3倍に⁉
2018.01.01
2050年には全世界で1億1,500万人もの人が失明する――。
このほど、イギリスの研究者らが上記のような予測を医学雑誌ランセット・グローバル・ヘルスに掲載しました。
この論文によると、2015年時点での失明者の数は全世界で約3,600万人だそうです。
ところが、高齢化や人口の増加を背景に、治療面で大きな改善がなければ、2050年にはおよそ3倍の1億1,500万人にまで増えるだろうと予測しました。
ところで、日本では、視覚障害を持つ人は約32万人います。
(視覚障害を理由に、身体障害者手帳を交付された人。まったく見えない人のほか、「ロービジョン」と言われる弱視の人も含みます)
視覚障害の原因疾患で、いちばん多いのが「緑内障」、次に多いのが「糖尿病網膜症」です。この2つで、4割強を占めています。
緑内障とは、なんらかの原因で視神経が障害されて、視野が狭くなる病気です。
初期には、眼の中心からややずれたところに見えない部分(暗点)ができ、病気が進行するにつれて、見えない範囲が広がっていきます。
視野が欠ければすぐに気づくのではないか、と思うかもしれません。
ところが、眼を動かしたり片方の眼で補ったりして、見えない部分をカバーするため、視野が欠けても気づかないことは多いのです。
そのため、見えない部分がかなり広がってから、緑内障が見つかる……ということも珍しくありません。
それが、緑内障の怖いところです。
一方、糖尿病網膜症は、糖尿病が原因で眼の毛細血管の血流が悪くなり、網膜への酸素や栄養が不足することで生じます。
糖尿病の三大合併症のひとつです。
緑内障も、糖尿病網膜症も、そのままにしておくと失明の可能性もあります。
糖尿病を持っている人は、眼の症状がなくても定期的に眼科を受診することが大切です。
そして、糖尿病ではない方も、40歳を超えるあたりから、緑内障などの眼の病気が増えてきます。
自分では気づかないうちに進んでいることもありますので、年に1回の眼科検診をおすすめします。